【資料】確定一審判決 第14章 「被告人の犯人性の検討」

「罪と罰」なみに長い確定一審判決がコンパクトにまとまった結論部分です。

第3総合的判断

ここから,第1章以降で検討してきたすべての事実関係を踏まえて,カレー毒物混入事件における被告人の犯人性を総合的に検討する。

1  被告人の犯人性の検討

(1)  関係亜砒酸の同一性(原因亜砒酸の由来)

ア 本件夏祭りで提供されたカレーを食べた住民67名が急性砒素中毒となり,うち4名が死亡した。夏祭り用に調理されたカレー中の砒素濃度の検査によって,東鍋カレーから極めて高濃度の砒素(検体により濃度は異なるが,最高濃度はIC/ICP-MSによる測定での8400ppm,平均的な砒素濃度は,後記のとおり少なくとも5000ppmと考えられる。)が検出され,その後,現実にカレー中から亜砒酸の結晶が採取された。(以上,第1章)

イ この東鍋カレーの中の亜砒酸が,どこから持ち込まれたものなのかを検討するため,被告人の実兄方で保管されていたA緑色ドラム缶,B甲峰ミルク缶,C重記載缶,D甲峰タッパー内の亜砒酸及び戊谷D男方ガレージの棚の上から押収されたE戊谷ミルク缶内の亜砒酸の合計5点の亜砒酸粉末,被告人方から押収されたF本件プラスチック製小物入れ付着の亜砒酸及び本件夏祭り会場から押収されたG本件青色紙コップ付着の亜砒酸並びにI東鍋カレー中の亜砒酸結晶について,異同識別3鑑定が行われた結果,A緑色ドラム缶,B甲峰ミルク缶,C重記載缶,D甲峰タッパー及びE戊谷ミルク缶の5点の亜砒酸粉末は,いずれの異同識別鑑定においても,原料鉱石由来の微量元素の構成が酷似しており,製造段階において同一であり,また,F本件プラスチック製小物入れ付着の亜砒酸及びG本件青色紙コップ付着の亜砒酸のいずれについても,原料鉱石由来の微量元素の構成が酷似していることから,AないしEの亜砒酸粉末5点と製造段階において同一であると認められた。

また,C重記載缶,D甲峰タッパー及びE戊谷ミルク缶の3種の亜砒酸粉末からは製造後の使用方法に由来するバリウムが検出され,F及びGのいずれの付着亜砒酸からもバリウムが検出された。

この分析結果のうち,AないしEに関する分析結果は,各亜砒酸資料の由来に関する甲山工芸従事者の供述と一致する結果であった。

このように,AないしGの各亜砒酸は,原料鉱石由来の微量元素の構成が酷似していることから,製造段階において同一といえるばかりか,製造後の使用方法に由来するバリウムをもほぼ共通して含有していることが明らかとなった。(以上,第2章)

ウ そして,これらAないしGの亜砒酸(嫌疑亜砒酸)と,東鍋カレー中の亜砒酸との同一性に関しては,(あ)谷口早川鑑定で実際に分析されたカレー中結晶(カレーから採取された総結晶中の個数にして約8分の1,体積的には約4分の1)の総微量元素の構成が,比較的,嫌疑亜砒酸の微量元素の構成と似たものであったこと,(い)中井鑑定におけるカレーの硫化沈殿物中の微量元素の構成は,嫌疑亜砒酸の構成とよく似ていたこと,(う)嫌疑亜砒酸の特徴的元素であるモリブデンがカレー中の亜砒酸結晶から検出されていること,(え)カレー中の亜砒酸結晶からバリウムが検出されていることという鑑定結果に加え,亜砒酸自体が希少なものであって,状況的に,G本件青色紙コップ内の亜砒酸が東カレー鍋の中に混入された可能性が高いといえることを総合的に考慮すると,東カレー鍋の中には,AないしFの亜砒酸のいずれかが,G本件青色紙コップを介して混入された蓋然性が高いと認められた。

そして,製造段階が同一であり,製造後の使用方法に由来するバリウムも含有するが,嫌疑亜砒酸とは異なる亜砒酸が東カレー鍋の中に混入された蓋然性は低く,本件における混入の場所や混入の機会を考えると,そのような亜砒酸が東鍋カレーに混入されたと考えることは,現実的には極めて困難であるから,東鍋カレーに混入された亜砒酸は,G本件青色紙コップを介して,A緑色ドラム缶,B甲峰ミルク缶,C重記載缶,D甲峰タッパー,E戊谷ミルク缶の5点の亜砒酸粉末若しくはF本件プラスチック製小物入れに入っていた亜砒酸のいずれかの亜砒酸である蓋然性が極めて高いと認められた。(以上,第2章)

(2)  混入機会の希少性

ア 東カレー鍋の中に亜砒酸が混入されたのは,平成10年7月25日午前8時30分(以下,この項における時間は,成10年7月25日である。)ころにカレーの調理が始まってから,午後6時ころに本件夏祭りが始まるまでの間であるが,東カレー鍋は調理の準備が始まってから午後3時ころまでは千葉方ガレージ内に,午後3時以降は夏祭り会場に置かれていたが,いずれも人目に付きやすい場所に置かれていたといえる。

イ そこで,どのような時間帯に東カレー鍋の中に亜砒酸を混入することが可能であったかを検討すると,まず,ガレージでカレーやおでんの調理が行われていた午前中の時間帯及び午後1時過ぎころに高知と滋賀が2人で見張りをするようになってから午後3時ころにカレー鍋等が夏祭り会場に運ばれるまでの時間帯については,カレー鍋周辺の人の状況等から,亜砒酸は混入されていないと認められた。

そして,午後零時15分前後ころから群馬が1人で見張りを始め,午後零時20分ころ被告人と見張りを交代するまでの時間帯,午後1時過ぎころに高知が,そして滋賀がそれぞれ1人で見張りをしていたわずかな時間帯についても,いつ見張りの人が来るか分からない状態での短時間の見張りにすぎず,自らや家族が実際にカレーを食べて急性砒素中毒の被害を受けており,亜砒酸との接点も認められないことから,これら3名が1人で見張りをしていた際には,いずれも亜砒酸は混入されていないと認められた。

また,カレー鍋が夏祭り会場に運ばれてからの時間帯については,カレー鍋周辺の細かな人の動きを特定することは困難であるが,状況的に,夏祭り会場にカレー鍋が運ばれた後に,自治会住民以外の不審人物が亜砒酸を混入した可能性はないに等しいということができ,また,自治会住民が混入した可能性はほとんどないと認められた。

したがって,被告人が午後零時20分ころから午後1時ころまでカレー鍋等の見張り番をしていた時間帯に,東カレー鍋の中に亜砒酸が混入された蓋然性が高いことが判明した。(以上,第3章)

(3)  鍋の見張り当番中の被告人の行動

被告人が前記午後零時20分ころから午後1時まで鍋の見張り当番をしていた時間帯は,次女秋子と一緒に見張りをしていた時間帯や,少なくとも一度はガレージを留守にした時間帯が認められるが,それ以外の時間帯は,被告人が1人で見張りをしていた時間帯であったから,その時間帯に,被告人が東カレー鍋の中に亜砒酸を混入することは十分に可能であった。

また,被告人は,1人で見張りをしている際に,しきりに道路の方を気にしながら西カレー鍋の蓋を開けていたが,蓋を開けるだけなら周囲を気にする必要はないから,これは不自然な行動である。(以上,第3章)

(4)  被告人と亜砒酸とのつながり

ア 被告人と亜砒酸との関係を検討したところ,まず,被告人方の台所の排水管内の汚泥や台所の排水が流れる会所の汚泥から近隣周辺と比べて顕著に高濃度の砒素が検出された。これは,台所流しから砒素が流されたことがあることを推認させるものである。また,麻雀部屋のほこりからも亜砒酸が検出され,さらに,被告人の毛髪からは通常では付着するはずのない無機の3価砒素の外部付着が認められ,被告人が亜砒酸に接触していた蓋然性は高いことが判明した。

次いで,東鍋カレーに混入された蓋然性が高い嫌疑亜砒酸と被告人との関連性を検討すると,甲峰や戊谷から押収された嫌疑亜砒酸は,いずれも太郎が甲山工芸として白蟻駆除業をしていた当時に使っていたものであるが,それらを甲峰に譲渡する以前の段階では被告人の自宅ガレージ等に保管していたのであって,被告人が入手することは極めて容易であり,その後についても,少なくとも戊谷ミルク缶については,被告人は容易に入手し得る状況にあった。そして,被告人は,甲山工芸時代の太郎とその従業員との会話等から,砒素の危険性を十分に知っていたものと認められた。

また,被告人方台所の流し台シンク下の収納庫から押収され嫌疑亜砒酸が採取されたF本件プラスチック製小物入れは,平成7年の秋ころ,被告人が甲峰三郎に依頼して「白アリ薬剤」と書いてもらった容器であった。この程度の字であれば被告人自身で十分に書けるものであるにもかかわらず,被告人は虚偽の理由を言ってまで甲峰に「白アリ薬剤」と書いてもらっているが,これは,当時甲峰が自蟻駆除業をしていたことを考えると,この容器と被告人との関係を打ち消しておきたかったためと考えるのが自然である。

イ 以上のように,被告人は,亜砒酸とは極めて密接な関係にあり,また,東鍋カレーに混入された蓋然性が高い嫌疑亜砒酸を容易に入手し得る立場にあったことが判明した。(以上,第4章)

(5)  人を殺害する道具としての砒素使用歴

被告人は,カレー毒物混入事件発生の約1年半以内という近接した時期に,死亡保険金等の保険金取得目的で,太郎に対しては平成9年2月6日,乙野に対しては平成9年9月22日,平成9年10月12日及び平成10年3月28日の合計4回にわたり,食べ物に混入させた砒素を摂取させ,人を殺害する手段として砒素を使用していたことが認められる(なお,乙野に対する平成9年10月12日の砒素使用は,前述のとおり,殺意自体の認定は留保するが,被告人の主観的<内心的>事情は平成9年9月22日の砒素使用と同様である。)。

したがって,被告人にとって,砒素は,発覚しない形で生命を奪うことのできる手段として位置付けられていたといえる。(以上,第6章ないし第14章第1)

(6)  被告人以外の第三者の亜砒酸混入の可能性

東鍋カレーに混入された蓋然性の高い嫌疑亜砒酸と接点のあった甲峰三郎,壬村H男,戊谷D男は,7月25日当日は被告人方周辺には来ておらず,また,被告人夫婦とつながりの強かった乙野A男は,被告人夫婦との関係を断ち切ろうとしていた時期であり,己田E男もP崎病院に入院中であって,いずれも7月25日当日は被告人方周辺には来ていなかった。

太郎は,当時自宅にいたがガレージ付近では目撃されておらず,また,太郎自身は,被告人から砒素を摂取させられた被害者であり,かつ,自分が急性砒素中毒であったことをカレー毒物混入事件当時も知らず,砒素とは無関係の生活を過ごしていたのであるから,太郎は東カレー鍋の中に砒素を混入していないと認められる。

さらに,前述のように,被告人以外の自治会住民で,東鍋カレーに混入された蓋然性の高い亜砒酸と接点を持つ者は見当たらなかった。(以上,第4章)

(7)  その他の事情

被告人は,見張り当番中に面前で次女がカレーの味見をしており,事件発生後は保健所等がしきりに検査を受けるよう呼びかけ,また,被告人も直後は周囲に娘に検査を受けさせる等言っていながら,実際には,次女に対して検査を受けるように言ったことすらなかった。このような行為は,母親としては不自然な行為といえる。

また,被告人は,平成10年8月2日夕方にカレー毒物混入事件の原因毒物が砒素であると報道された翌朝の同月3日午前6時50分ころ,実兄である甲峰に対し,被告人方で砒素を使用していたことを口止めする内容の電話をかけているが,そのあまりの性急さはやはり不自然な行動といわざるを得ない。(以上,第5章)

(8)  小括―動機との関係を含めて

ア 以上の検討から,東鍋カレーには,嫌疑亜砒酸のいずれかが,本件青色紙コップを介して混入された蓋然性が極めて高いところ,この嫌疑亜砒酸を現実的に入手し得る立場にあり,かつ,東鍋カレーに亜砒酸を混入し得る具体的,現実的機会があったと認められる人物は,証拠上は,被告人のみである。

そして,被告人方台所の流し台シンク下収納庫内に置かれ,現実に嫌疑亜砒酸が入れられていたF本件プラスチック製小物入れは,平成7年の秋ころに被告人が実兄に頼んで「白アリ薬剤」と書いてもらったもので,被告人がこの容器との関係を不自然に打ち消そうとしていたことや,容器の形状や保存場所の状況を考えれば,このF本件プラスチック製小物入れは被告人が管理していた可能性が高いといえる。

また,被告人は,見張り当番中に西カレー鍋の蓋を開けるに際し,周囲,特に道路側の様子を非常に気にしているが,これは,単に見張りの当番がカレー鍋内の様子を見るにしては不自然な行動であって,この前後に被告人が東カレー鍋に亜砒酸を混入したと考えれば,カレー鍋の蓋を開けるところを第三者に目撃されないよう警戒した行動として合理的な理解が可能となる。そして,被告人が,カレーから砒素が検出された旨報道されると,異常に素早く,亜砒酸を預けた実兄に,被告人方では砒素は使っていなかったことにするよう依頼したのも,自らの関与を打ち消す必要性が高かったことの表れとして,被告人が犯人であることと結び付きやすい事実関係である。また,被告人が,自分の娘に砒素の検査を受けさせようとしなかったことも,被告人は自分の娘は砒素中毒にり患していないことを知っていたこと,すなわち,被告人は,どの鍋に亜砒酸が混入されているのか知っていたことの表れとして,被告人が犯人であることと結び付きやすい事実関係である。

さらに,被告人は,現に,保険金取得目的でカレー毒物混入事件発生前の約1年半の間に,4回も人に対して砒素を使用しており,この事実は,通常の社会生活において存在自体極めて稀少である猛毒の砒素を,人を殺害する道具として使っていたという点で,被告人以外の事件関係者には認められない特徴であって,カレー毒物混入事件における被告人の犯人性を肯定する重要な間接事実といえる。

また,この金銭目的での4回の砒素使用や,その他の2件の睡眠薬使用という事実は,人の命を奪ってはならないという規範意識や,人に対して砒素を使うことへの抵抗感がかなり薄らいでいたことの表れととらえることができる。

このような多くの間接事実を総合すると,被告人は,東カレー鍋の中に亜砒酸を混入したものであるということが極めて高い蓋然性をもって推認することができる。

イ ところで,本件では,前記第2のとおり,被告人がカレー毒物混入事件を起こす動機については解明することができなかった。

しかしながら,被告人が犯人であることと矛盾するような事実関係が証拠上明らかになっているわけではなく,また,被告人がカラオケに出かける際に,自宅に長女と三女を残している点も,その子供らが本件夏祭りでカレーを食べないよう二重,三重の手当がされていることからすると,被告人の犯人性と矛盾するような事実関係とは認められない。

また,被告人は,鍋の見張り当番中に,次女がカレーの味見をしようとしたことに対し,強く止めることはせず,それを了承した可能性が認められるが,次女は亜砒酸が混入されなかった西鍋カレーを味見しただけで,東鍋カレーについては味見をしようともしなかったことを考えると,被告人のその行動は,前述のように極めて高い蓋然性で推認される被告人の犯人性の判断に影響を与えるような事情とはいえない。

したがって,上記で検討した現実的に本件犯行が可能なのは被告人以外には考えられないという客観的な蓋然性の高さや,それ以外の被告人の犯人性を強める諸事情を考えれば,動機が不明確である等の事情は,極めて高い蓋然性で推認される被告人の犯人性の判断に影響を与えるものではないと解される。

ウ なお,関係証拠からは,被告人は,群馬がガレージから帰り,1人で鍋の見張りを始めた時点では,亜砒酸を所持していなかったと認められるが,被告人が自宅等から亜砒酸を持ってくる時間的,場所的可能性も十分にあり,後記のとおり,現に被告人は1人で見張りをしている時間帯に少なくとも一度はガレージを離れていることが認められるから,1人で見張りを始めた当初の時点で亜砒酸を所持していなかったことは,被告人の犯人性を否定する方向での情況証拠とはならない。

(9)  被告人の見張り当番の時間帯における第三者による犯行の可能性

ア 上記のとおり,状況的にみて被告人が見張り当番をしていた時間帯に,被告人が東カレー鍋に亜砒酸を混入した蓋然性が極めて高いが,その時間帯の具体的な出来事については,不明確な部分が多い。また,被告人は,1人で鍋の見張り当番をしている間に,少なくとも1回はガレージから離れ,ガレージに誰も見張りがいなくなった時間帯も認められる。

そこで,被告人が見張り当番をしていた時間帯に,被告人以外の第三者が亜砒酸を混入した可能性がないかを検討する。

イ カレー毒物混入事件の凶器となった亜砒酸は,前記(1)で検討したように特徴的な微量元素を含有する個性の強い亜砒酸であって,その亜砒酸が被告人と無関係にガレージに持ち込まれたとは到底考えられない。したがって,被告人以外の第三者による犯行として想定し得るのは,被告人が持ち込んだ亜砒酸を被告人以外の第三者が混入したということになるのであって,それ自体非常識的な想定にすぎない。

加えて,そのような不審な第三者は目撃されておらず,また,被告人が亜砒酸を持ち込んだ上で,ガレージに亜砒酸を置いたままガレージから離れるということは,亜砒酸が他人に発見される危険性が高く,発見された場合にまず疑われるのは被告人であることを考えても,そのような事態は考えにくい。

また,被告人が午後零時20分ころから1人で見張りを始め,その後次女がガレージに来たりし,その後少なくとも1回はガレージを離れ,亜砒酸をガレージに持参し,見張りの時間帯の終盤は,次女が再度ガレージに来て,午後1時に高知と見張りを交替するまでは一緒に見張りをしているのであるから,この時間的経緯を考えれば,被告人が亜砒酸をガレージに持ち込んでから,亜砒酸が東カレー鍋の中に混入されるまでの時間は,わずかな時間であったものと考えられる。

したがって,そのような短い時間の間で,被告人以外の第三者がガレージに来て,東カレー鍋の蓋を開けて亜砒酸を混入し,また,その場を立ち去って目撃もされなかったという事態は,現実的には到底考えられない。

してみると,被告人が持ち込んだ亜砒酸を,被告人以外の第三者が混入したという想定は,何ら合理的な根拠を持たないものである。

(10)  結論

以上の検討から,被告人は,ガレージで1人で鍋の見張り当番をしていた午後零時20分ころから午後1時ころまでの間に,A緑色ドラム缶,B甲峰ミルク缶,C重記載缶,D甲峰タッパー,E戊谷ミルク缶の5点の亜砒酸粉末若しくはF本件プラスチック製小物入れに入っていた亜砒酸のいずれかの亜砒酸を,本件青色紙コップに入れてガレージに持ち込んだ上,東カレー鍋に混入したという事実が,合理的な疑いを入れる余地がないほど高度の蓋然性を持って認められるのである。

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